潮来育樹祭に反対する会議(略称いい会議)の日記

天皇制に反対し、育樹祭に反対する県内有志による取り組みのブログ

潮来育樹祭に反対するデモ、デモ申請報告

潮来育樹祭に反対するデモ、デモ申請報告

 潮来育樹祭に反対する会議の取り組みを始めた時から、育樹祭当日のデモを考えていました。本当は集会とデモをセットで行うべきなのですが、他の記事で書いている通り、潮来市内の公共施設は使えないので集会は早々に諦めました。
 デモの準備として、まずデモコースの下見をし、実際に歩いてみました。歩かなくともデモコースがどんなところか、今では確認出来ますが、やはり歩いてみないと分からないことはあります。街中に人がいるか、店の中なら人がいるかなんてストリートビューでは分からないですから。それにストリートビューは街の変化を追いかけるものではありませんからね。
 日和っていると言われるかもしれませんが、育樹祭会場の茨城県水郷県民の森に近づくことは初めから考えていませんでした。警察が規制して近づかせないのも理由ではありますが、それよりも駅から相当遠い上に、道中に何もありません。民家が点在し、北浦が見え、あとは半ば山の中です。デモコースとしての面白味に欠けると判断してのことです。
 今回は潮来市内の商店街と新興の住宅地の二つのうちどちらかをデモコースと考えて歩きましたが、新興の住宅地の日の出地区は駅から遠いのでやめにしました。中央公民館にある碑などは面白いのですが、歩く時間がどんどん伸びてしまいます。日の出地区は住宅街で、店もほぼありません。
 潮来市街地の商店街は正直に言うと淋しい商店街です。かつては街の中心だったのでしょうが、人出は郊外型の店舗やショッピングモールに奪われています。商店街だけでは淋しいので、やや足を延ばして市役所まで行ってみました。途中で店もなくなるので、これは市役所まで歩かなくていいね、と話していたのですが、市役所には育樹祭の横断幕と幟がはためいていました。それどころか〇五年の植樹祭の碑までありました。これも歩いてみないと分からないところです。やる気になって市役所を折り返し点にすることにしました。内洲第一児童公園から出発して商店街をスーパーセイミヤまで行き、31号線に出て市役所で折り返し、潮来駅前で解散というコースにしました。歩いて一時間強です。
 下見の前に潮来市を管轄する行方警察署の警備課に電話をして、デモ申請の日程を先に決めておきました。通常は複数で申請に行きますが、今回は私一人です。とは言え平日昼間しか警察署は対応しないので仕事を休まなければならず、早めに日程を組む必要があります。
 コースを決めてから行方署と潮来市役所に電話をしました。行方署警備課にデモコースをファックスし、潮来市役所の都市建設課にもファックスを送りました。どちらも事前にデモコースを伝えておいて、申請当日に「ここは通れない」「ここは使えない」と言われるのを避けるためです。時間に余裕があるならファックスを送る必要はありません。本来はその場で交渉すればいいので、人によっては「警察に余計な情報を与えるな!」と怒るかもしれません。今回の場合、主催者とデモ会場との距離がかなりあるので、警察署や市役所に何度も行って話をする訳にも行かないので事前にデモコースを伝えて検討してもらっています。
 市役所にファックスを送っているのは出発地点の公園や解散地点の駅のロータリーが使えるのかを確認するためです。デモで公園が利用出来なくなっている自治体は珍しくありません。新宿駅近辺など、かつては例えば柏木公園から出発が当たり前でしたが、今では東口駅前広場しか利用出来なくなっています。また、前回つくばでのG7科学技術担当大臣会合では公園使用に制限がかかり、事実上ほぼ使えませんでした。それで利用出来る公園を確認しようと思って連絡をしました。結果的には今回道路も公園も駅前ロータリーも使用に制限はかかりませんでした。市役所の敷地での折り返しは市役所の管理権を理由に断られたので信号でのUターンにしましたが、これはまあ仕方ないでしょう。
 警察署と市役所双方に事前に連絡しておくと、申請当日に警察署と市役所を往復する必要もなくなります。警察署と市役所は「市役所が大丈夫なら。」「警察が大丈夫なら。」とデモコース確定の最終的な承認をお互いに譲り合う傾向があり、確定させるために警察署と市役所を往復することがあるのです。あまり意味があることとも思えないので避けたいのですが、初めての地域なのでどうなるかと思っていました。
 申請当日はまず行方警察署に行きました。警備課の署員二人が対応し、小部屋に通されました。申請に使う部屋はまちまちで、講堂の隅に通されたこともあります。こちらはデモコースの地図だけ用意しています。通常はデモのビラも用意して行きますが、今回は間に合いませんでした。警備課署員と話していて分かりましたが、潮来でのデモはもう何年も行われていないようです。それどころか二人ともデモ申請の受付自体が初めてでした。天皇関連の行事に対するデモへの対応がそれかと、こちらがびっくりしてしまいました。電話で本人確認出来る物をと言われたのもちょっとびっくりでした。デモ申請時に本人確認されたのは初めてです。「集団示威行動、道路使用許可申請書」に記入し、用意してきたデモ進路を記入した地図と、その場でゼンリンの住宅地図を見ながらどこの信号で曲がると具体的に書いた進路表を渡して申請は終わりです。
 また、茨城でのデモ申請で特徴的なこととして、手続きが有料なことがあります。デモ申請の書類提出時に二千三百円の収入印紙を貼るように言われます。初めての時は驚きました。私は〇五年まで東京にいて運動をしていましたが、東京でデモ申請をして金を払ったことはありません。この話をするとたいてい驚かれるので、手続きが有料の方が少ないのではないかと思っていますがどうなのでしょう。
 行方署での申請は一時間ほどで終わったので次は潮来市役所です。しかし都市建設課に行くと、集会をするのでなければ特に届け出の必要はないと言われました。なら、それでいいです。
 申請してから十一日後に行方署から許可書が署に届いたと連絡があり、その翌日の十月十八日に受け取りに行きました。「集団示威行動、道路使用許可申請書」(本当は頭に「集会、集団行進」と付いていて、それを申請者である私が二重線で消しているので「集会、集団行進、集団示威行動、道路使用許可申請書」が正しいのかもしれません。)、地図、進路表、「道路使用許可書」、「指導事項」、「行政不服審査法及び行政事件訴訟法の規定に基づく教示」の順に六枚をホチキスで留めた物が渡されました。一枚目には茨城県公安委員会の印が、四枚目と五枚目には茨城県行方警察署長の印が十月十二日の日付で押してあります。一枚目の条件欄には「1 だ行進、渦巻き行進、いわゆるフランスデモ、座り込み、またはことさらな駆け足行進、遅足行進、停滞その他これらに類する交通秩序を乱す行為をしないこと。  2 鉄棒、こん棒、角材、石その他の危険物を携帯しないこと。  3 先端をとがらせ、釘を突出させるなどの危険な加工を施した旗ざお、プラカードなどを携帯しないこと。  4 行進中は旗ざお等をさせにして隊列を組まないこと。  6回産地に到着後は、速やかに解散すること。」とあります。四枚目の条件欄には「1 行進隊形は3列以内の縦隊とすること。  2 隊列は、車歩道の区別のない道路は道路の左側端を、歩車道の区別のある道路は車道の左側端を通行すること。  3行進中、ジグザグ行進、渦巻き行進、駆け足行進、遅足行進、逆行進、停滞、殊更に道路いっぱいに広がるなど、他の一般交通の安全と円滑を阻害するような行為をしないこと。  4 行進中、旗ざお、プラカード等を支えにスクラムを組み、交通の安全を阻害し、または隊列の内外で旗ざお、プラカード等を振るなど交通上危険な行為をしないこと。  5 解散地点では、到着順に速やかに流れ解散すること。」とあります。これらを守ってデモをしろと。
 以上が潮来でのデモ申請の報告です。・・・書類には「許可」とありますが、デモ行進は許可される筋合いのものではないはずなんですがねえ。それとも道路使用についての許可と言うことなんでしょうか?うーん。