潮来育樹祭に反対する会議(略称いい会議)の日記

天皇制に反対し、育樹祭に反対する県内有志による取り組みのブログ

11・11潮来育樹祭反対デモ 報告

11・11潮来育樹祭反対デモ 報告

 十一月十一日土曜、「茨城育樹祭(第4 6 回全国育樹祭)」として潮来にある水郷県民の森で秋篠宮が「お手入れ」と言う中身のない儀式をしたその日に、私たちは潮来市の市街地でデモを行いました。
 予定よりやや早く二時半から集合地点の内洲第一公園で参加してくれた団体などからのアピールをもらいました。発言したのは山谷労働者福祉会館の仲間、東北の学生グループ、関西の学生グループ反天皇制労働者ネットワーク関東、反天皇制行動実行委員会です。また、「北方領土の日」反対!「アイヌ新法」実現!全国実行委員会(ピリカ全国実)・札幌圏からは連帯アピールを送ってもらっていたので、こちらは印刷して配布しました(別掲)。
 デモは予定通り三時に公園を出発し、潮来の商店街を通り、市役所の先で折り返して潮来駅のロータリーで解散しました。潮来公民館前では「施設を使わせろ、会場をつかわせろ、市民に施設を開放しろ」とシュプレヒコールをし、〇五年の全国植樹祭の碑と今回の育樹祭の幟旗や横断幕のある市役所では「育樹祭やめろ」のコールを繰り返しました。潮来の街中は人通りがなく車しか走っていませんが、デモなどおそらく十年以上なく、店や家の中から何事かと覗いている人は少なくありませんでした。中には食って掛かってくる人もいましたが、それも含めて潮来の街中で育樹祭、天皇制と言う問題が耳目にさらされた時間だったと思います。
 参加者は四十五名でした。私たちが当初考えていたよりもずっと多い人数で、また地域も広がっていました。これを契機に、反天皇制運動を拡げていければと思っています。
 デモ終了後には交流会をして、各地の、幅広い年齢の仲間と交流をしました。

デモコールは下記の通りです。

育樹祭はやめろ!
皇族は潮来から出ていけ!
植樹祭もやめろ!
天皇行事は全部いらない!
大地は天皇のものじゃない!
海は天皇のものじゃない!
スポーツは天皇のものじゃない!
文化は天皇のものじゃない!
天皇制いらない!
自然からの収奪をやめろ!
動物からの搾取をやめろ!
民族差別の天皇制!
ジェンダー差別の天皇制!
部落差別の天皇制!
過剰警備をやめろ!
私たちを監視するな!
民主主義に天皇はいらない!
勝手に統合するな!
入管は強制収容をやめろ!
野宿者・日雇労働者への差別をやめろ!
右翼に殺された仲間を忘れないぞ!
差ベル・排外主義を許さないぞ!
朝鮮・中国への敵視政策をやめろ!
自衛隊は沖縄から出ていけ!
米軍は沖縄から出ていけ!
軍事では何も解決しないぞ!
ロシアはウクライナから兵を引け!
イスラエルはガザを攻撃するな!
東海第二原発再稼働反対!
汚染水を放出するな!
被ばく労働をなんとかしろ!
そもそも賃金低すぎる
そもそも学費が高すぎる

ショートコール
育樹・反対
皇族・帰れ
靖国・解体
戦争・反対

【賛同者公表のお知らせ(最終結果公表)】

【賛同者公表のお知らせ】

(11/18追記:締切時の最終結果を掲載しました)

最終の賛同者公表となります。個人37名, 団体14で総計50を超えました。皆さんの賛同に深く感謝いたします。

数が多く個別の返信はできておりませんが、こちらの公表を持って御礼申し上げます。

われわれとしては、今回ご賛同頂いた皆さんとはこれからも一緒に天皇制と闘っていきたいと考えます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

賛同者一覧  〈個人〉  村上らっぱ 露木茂文 藤田康元 紅星健太(無支配の共産主義者) 永井正規 上原要(学生) 兼近修身 桜井大子 梶野宏 井上森 布施えり子(小卒無職) 平山まゆみ (死刑廃止・たんぽぽの会) 山口玲子 (死刑廃止・たんぽぽの会) 山崎博之 (死刑廃止・たんぽぽの会) まえだけいこ (死刑廃止・たんぽぽの会) 小寺卓矢 宮川拓 鈴木俊弘 高橋良平 tomato 上平学 野崎健(全港湾西成分会書記長) 和田拓磨(F労組合員) 浅井次郎(山谷支援) 堀池正次郎(エゴイスト)   小倉利丸 稲垣豊(ATTAC首都圏) 京極紀子(「日の丸・君が代」の 法制化と強制に反対する神奈川の会) 櫻茉莉(学生) 篠原幸代 やまもとゆきこ 御酒ノム 長坂りえ ほか非公表4名  〈団体〉 フリーター全般労働組合 茨城不安定労働組合 関西コミュニズム研究会 AWC Youth(アジア共同行動関西青年部) 反安保実行委員会 立川自衛隊監視テント村 死刑廃止•タンポポの会 映画「侵略」上映委員会 天皇制を考える会•静岡 労働運動活動者評議会 ピリカ全国実行委員会 (正式名称:「北方領土の日」反対!「アイヌ新法」実現!全国実行委員会) 天皇制に問題あり!福岡連絡会 天皇制問題情報交換会 『反天ジャーナル』編集委員会



潮来育樹祭に反対するデモ、デモ申請報告

潮来育樹祭に反対するデモ、デモ申請報告

 潮来育樹祭に反対する会議の取り組みを始めた時から、育樹祭当日のデモを考えていました。本当は集会とデモをセットで行うべきなのですが、他の記事で書いている通り、潮来市内の公共施設は使えないので集会は早々に諦めました。
 デモの準備として、まずデモコースの下見をし、実際に歩いてみました。歩かなくともデモコースがどんなところか、今では確認出来ますが、やはり歩いてみないと分からないことはあります。街中に人がいるか、店の中なら人がいるかなんてストリートビューでは分からないですから。それにストリートビューは街の変化を追いかけるものではありませんからね。
 日和っていると言われるかもしれませんが、育樹祭会場の茨城県水郷県民の森に近づくことは初めから考えていませんでした。警察が規制して近づかせないのも理由ではありますが、それよりも駅から相当遠い上に、道中に何もありません。民家が点在し、北浦が見え、あとは半ば山の中です。デモコースとしての面白味に欠けると判断してのことです。
 今回は潮来市内の商店街と新興の住宅地の二つのうちどちらかをデモコースと考えて歩きましたが、新興の住宅地の日の出地区は駅から遠いのでやめにしました。中央公民館にある碑などは面白いのですが、歩く時間がどんどん伸びてしまいます。日の出地区は住宅街で、店もほぼありません。
 潮来市街地の商店街は正直に言うと淋しい商店街です。かつては街の中心だったのでしょうが、人出は郊外型の店舗やショッピングモールに奪われています。商店街だけでは淋しいので、やや足を延ばして市役所まで行ってみました。途中で店もなくなるので、これは市役所まで歩かなくていいね、と話していたのですが、市役所には育樹祭の横断幕と幟がはためいていました。それどころか〇五年の植樹祭の碑までありました。これも歩いてみないと分からないところです。やる気になって市役所を折り返し点にすることにしました。内洲第一児童公園から出発して商店街をスーパーセイミヤまで行き、31号線に出て市役所で折り返し、潮来駅前で解散というコースにしました。歩いて一時間強です。
 下見の前に潮来市を管轄する行方警察署の警備課に電話をして、デモ申請の日程を先に決めておきました。通常は複数で申請に行きますが、今回は私一人です。とは言え平日昼間しか警察署は対応しないので仕事を休まなければならず、早めに日程を組む必要があります。
 コースを決めてから行方署と潮来市役所に電話をしました。行方署警備課にデモコースをファックスし、潮来市役所の都市建設課にもファックスを送りました。どちらも事前にデモコースを伝えておいて、申請当日に「ここは通れない」「ここは使えない」と言われるのを避けるためです。時間に余裕があるならファックスを送る必要はありません。本来はその場で交渉すればいいので、人によっては「警察に余計な情報を与えるな!」と怒るかもしれません。今回の場合、主催者とデモ会場との距離がかなりあるので、警察署や市役所に何度も行って話をする訳にも行かないので事前にデモコースを伝えて検討してもらっています。
 市役所にファックスを送っているのは出発地点の公園や解散地点の駅のロータリーが使えるのかを確認するためです。デモで公園が利用出来なくなっている自治体は珍しくありません。新宿駅近辺など、かつては例えば柏木公園から出発が当たり前でしたが、今では東口駅前広場しか利用出来なくなっています。また、前回つくばでのG7科学技術担当大臣会合では公園使用に制限がかかり、事実上ほぼ使えませんでした。それで利用出来る公園を確認しようと思って連絡をしました。結果的には今回道路も公園も駅前ロータリーも使用に制限はかかりませんでした。市役所の敷地での折り返しは市役所の管理権を理由に断られたので信号でのUターンにしましたが、これはまあ仕方ないでしょう。
 警察署と市役所双方に事前に連絡しておくと、申請当日に警察署と市役所を往復する必要もなくなります。警察署と市役所は「市役所が大丈夫なら。」「警察が大丈夫なら。」とデモコース確定の最終的な承認をお互いに譲り合う傾向があり、確定させるために警察署と市役所を往復することがあるのです。あまり意味があることとも思えないので避けたいのですが、初めての地域なのでどうなるかと思っていました。
 申請当日はまず行方警察署に行きました。警備課の署員二人が対応し、小部屋に通されました。申請に使う部屋はまちまちで、講堂の隅に通されたこともあります。こちらはデモコースの地図だけ用意しています。通常はデモのビラも用意して行きますが、今回は間に合いませんでした。警備課署員と話していて分かりましたが、潮来でのデモはもう何年も行われていないようです。それどころか二人ともデモ申請の受付自体が初めてでした。天皇関連の行事に対するデモへの対応がそれかと、こちらがびっくりしてしまいました。電話で本人確認出来る物をと言われたのもちょっとびっくりでした。デモ申請時に本人確認されたのは初めてです。「集団示威行動、道路使用許可申請書」に記入し、用意してきたデモ進路を記入した地図と、その場でゼンリンの住宅地図を見ながらどこの信号で曲がると具体的に書いた進路表を渡して申請は終わりです。
 また、茨城でのデモ申請で特徴的なこととして、手続きが有料なことがあります。デモ申請の書類提出時に二千三百円の収入印紙を貼るように言われます。初めての時は驚きました。私は〇五年まで東京にいて運動をしていましたが、東京でデモ申請をして金を払ったことはありません。この話をするとたいてい驚かれるので、手続きが有料の方が少ないのではないかと思っていますがどうなのでしょう。
 行方署での申請は一時間ほどで終わったので次は潮来市役所です。しかし都市建設課に行くと、集会をするのでなければ特に届け出の必要はないと言われました。なら、それでいいです。
 申請してから十一日後に行方署から許可書が署に届いたと連絡があり、その翌日の十月十八日に受け取りに行きました。「集団示威行動、道路使用許可申請書」(本当は頭に「集会、集団行進」と付いていて、それを申請者である私が二重線で消しているので「集会、集団行進、集団示威行動、道路使用許可申請書」が正しいのかもしれません。)、地図、進路表、「道路使用許可書」、「指導事項」、「行政不服審査法及び行政事件訴訟法の規定に基づく教示」の順に六枚をホチキスで留めた物が渡されました。一枚目には茨城県公安委員会の印が、四枚目と五枚目には茨城県行方警察署長の印が十月十二日の日付で押してあります。一枚目の条件欄には「1 だ行進、渦巻き行進、いわゆるフランスデモ、座り込み、またはことさらな駆け足行進、遅足行進、停滞その他これらに類する交通秩序を乱す行為をしないこと。  2 鉄棒、こん棒、角材、石その他の危険物を携帯しないこと。  3 先端をとがらせ、釘を突出させるなどの危険な加工を施した旗ざお、プラカードなどを携帯しないこと。  4 行進中は旗ざお等をさせにして隊列を組まないこと。  6回産地に到着後は、速やかに解散すること。」とあります。四枚目の条件欄には「1 行進隊形は3列以内の縦隊とすること。  2 隊列は、車歩道の区別のない道路は道路の左側端を、歩車道の区別のある道路は車道の左側端を通行すること。  3行進中、ジグザグ行進、渦巻き行進、駆け足行進、遅足行進、逆行進、停滞、殊更に道路いっぱいに広がるなど、他の一般交通の安全と円滑を阻害するような行為をしないこと。  4 行進中、旗ざお、プラカード等を支えにスクラムを組み、交通の安全を阻害し、または隊列の内外で旗ざお、プラカード等を振るなど交通上危険な行為をしないこと。  5 解散地点では、到着順に速やかに流れ解散すること。」とあります。これらを守ってデモをしろと。
 以上が潮来でのデモ申請の報告です。・・・書類には「許可」とありますが、デモ行進は許可される筋合いのものではないはずなんですがねえ。それとも道路使用についての許可と言うことなんでしょうか?うーん。

11・11潮来育樹祭反対デモ

11・11潮来育樹祭反対デモ
私たちの社会に天皇制はいらない!この大地に王の居場所はない!皇族は茨城に来るな!
11月11日(土)14時40分集合 15時デモ出発
集合場所 内洲第一児童公園(茨城県潮来市潮来101-4 鹿島線潮来駅から徒歩15分。富士屋ホテル前。駅からあやめ園を越えて川沿いにまっすぐ)
鹿島線は極めて本数の少ない電車です。時刻表で確認してください。
※国旗など、ナショナリズムを想起させるものの持ち込みは固くお断りします!
呼びかけ いい会議(潮来育樹祭に反対する会議) 連絡先090-8441-1457(加藤)

 全国育樹祭は毎年恒例の天皇四大行事の一つである植樹祭で天皇が植えた木を、皇族が手入れしに来るイベントです。いずれも森林の育成、保護という名目が付されているようです。その育樹祭が今年は茨城県潮来市にやってきます。
 しかし植樹祭・育樹祭は本当に森林の育成、保護の役に立っているのでしょうか。大きなイベントをして注目を集めても、それは一過性のものです。そのイベントのために費やす資金や人材を、直接森林保護事業に使う方が効果的なのではないかと思えます。植樹祭を行うために森林を切り開いて会場を作っていた事例もありました。ここには大きな矛盾がないでしょうか。
 むしろ植樹祭・育樹祭は、日頃意識することのない天皇・皇族の存在を地域社会にあらためて意識させるためのイベントといえるでしょう。生まれた時から特別視され、国家の象徴、国民統合の象徴とされる一族との関係を思い起こさせ、あるいはあらためて作るために森林の育成、保護をお題目として利用しているのではないでしょうか。育樹祭は天皇が植えた木を、その跡を継ぐ皇族が手入れする行為に天皇家の継続を重ね合わせたイベントですが、そもそも天皇や皇族が植樹や手入れをしたからといって、木に何か変化があるでしょうか。彼らはただの人間でしかなく、変化が起きるはずがありません。私たちが彼らを神聖視したところで植物も同じくそうするわけがありません。私たちが生きていくために「特別に偉い人」は必要ありません。人間同士の対等な関係を築いていくためには、むしろ有害な存在ですらあります。私たちに主人や王はいりません。天皇制は私たちには不要です。
 私たちは、自分たちのいる国を民主主義国だと思わされていますが、ちゃんと意思表示を行えているでしょうか?SNSでしか言いたいことを言えないのではないでしょうか?王のいる国に本当の意味での民主主義など成り立ちません。憲法では国民が主権者だとされています。しかし、主権者の規定より先に象徴の規定がある憲法とは何なのでしょう。そもそもこの社会には国民として法的な地位を認められていない、異なった民族の人々も多く暮らしています。天皇が象徴する国民、という前提はそうした人々との間にくだらない分断を持ち込もうとするものです。
 そう考えて11月11日に式典の行われる潮来でデモをします。植樹祭の元となった「愛林日」の植樹行事は茨城の現在の茨城県桜川市真壁町から始まりましたが、私たちにそんな伝統はいりません。
 みなさん、ぜひデモに参加を!

育樹祭と天皇制について考えるための学習会報告

育樹祭と天皇制について考えるための学習会報告
 遅くなりましたが九月十七日に行われた「育樹祭と天皇制について考えるための学習会」の報告です。
 今回の学習会は千本秀樹さんのお話「天皇制文化とは何か」が中心でした。お話は、私たちが「日本の伝統」だと思っているものが明治政府によって作られた、百五十年に満たない時間でしかないと明らかにするものでした。
 例えば犬が「ワンワン」と鳴くのは、それまで地域によって言葉が違ったために(方言のことです)、軍隊での指揮命令が困難だったことから共通の「日本語」創出の必要に迫られた明治政府が決めた表記だそうです。全国で犬はどう鳴くかと言った調査をして、その中には「ワンワン」の回答は含まれていなかったのですが、文部省は「ワンワン」に決定し、今では私たちの耳に犬は「ワンワン」と鳴いているように聞こえています。伝統どころか身体的とすら言えるレベルまで、私たちは明治政府に縛られていることになりますね。
 また、西日本からタイにかけての地域では財産相続は末子相続が基本だったように(数年前の船場吉兆をめぐる報道を思い出してください。)、地域や身分で違った近世の家族の在り方を武家風に統一したしたものが一八九八年に成立した民法で、これにより近代の家制度が成立しました。(こういったことを書いた千本さんの共著『「伝統・文化」のタネあかし』(アドバンテージサーバー)は第一次安倍政権による教育基本法改悪を受けて〇八年に出され、現在六刷でまだ入手可能だそうです。)
 このように再編、と言うより創出された文化に私たちが浸っていることが暴かれ、それを受けての質疑も活発に行われました。
 学習会終了後の交流会には主催込みで七名の参加者が全員参加し、学習会の議論の続きや県内で九十年代初めに行われていた運動の話などをしました。 

「全国豊かな海づくり大会2023」への反対行動への連帯アピール

 先日、私たちの学習会と同日に行われていた「アイヌモシリの侵略・植民地支配 の元凶=天皇制を許さない! 天皇出席の「全国豊かな海づくり大会」(厚岸)に反対する!」へ以下の連帯アピールを送りました。

 

「全国豊かな海づくり大会2023」への反対行動への連帯アピール

 

「全国豊かな海づくり大会2023」への反対行動に参加されている皆さん!

私たちは、この行事と同様に四大行事とされる「全国育樹祭」が今年の11月に茨城県潮来市で行われることに反対している、茨城在住者のグループです。

天皇制という身分差別の制度から自己の正当性を汲みだそうとする国家権力は、その正当性を再確認し、統治の対象となる全人民の意識にそれを刷り込むための行事を常に必要とします。

豊かな海づくり大会・育樹祭という二つの行事は、昔から人々が生活を営んできた場である陸と海、そしてそこで形成される人々の関係を、天皇制を頂点とするヒエラルキーのなかに包摂しようと狙ったものである点で一体です。

残念ながら今回現地に駆けつけることはできませんでしたが、育樹祭に反対するグループとして、海づくり大会に反対しないわけにはいきません。

そして周知のことかとは思いますが、今回の海づくり大会は徳仁天皇として即位して以来初めて「北海道」に訪れる機会となりました。

天皇大和民族はこの地の先住民族であるアイヌに対する侵略・抑圧を行ってきた歴史を持っています。

天照大神の子孫である神武を初代天皇とし、そこから連綿と続いてきた万世一系の家系などというフィクションにルーツを求める天皇は、今なおその責任を負っています。

またそれと同時に、「国民」の大多数を占める「本土」の人間として天皇制を拒否しようとするならば、そうした侵略・抑圧の歴史に加担してしまっていた側である自己の民族的なルーツを見つめ直し、歴史におけるその責任を引き受けるよう求められます。

よって私たちは、海づくり大会の有する基本性格を批判するとともに、それが今回「北海道」で行われようとしていることに対し何よりも強く反対します。

 

2023年9月17日

潮来育樹祭に反対する会議(略称:いい会議)

茨城育樹祭(第4 6 回全国育樹祭)に反対する声明

 11月の育樹祭まで二カ月を切りました。

 私たちは定期的に会議の場を持ち、茨城潮来市の育樹祭に反対する現地行動の計画を立てています。

 しかし、潮来市での現地行動に参加してもらうことのハードルの高さも理解しています。茨城県南の通勤ベッドタウンエリア(筑波、取手、牛久など)からも、県北の県庁所在地である水戸からもある程度離れているのが潮来市です。

 そのため今回は現地行動に来て頂けない方も含めた育樹祭と天皇制に反対するより多くの仲間の声を可視化し、力として束ねていくことを目的として、育樹祭への反対声明を公表し賛同を募ることとしました。賛同して頂ける方は以下の声明の最後に記載されているアドレスにご連絡下さい。よろしくお願いいたします。

 

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茨城育樹祭(第4 6 回全国育樹祭)に反対する声明


 私たちは茨城育樹祭に反対します。
 全国育樹祭は戦争により荒廃した森林資源の育成を謳って天皇が植樹する、全都道府県持ち回りで行われる天皇行事です。国民体育大会(二〇二四年から国民スポーツ大会)、全国豊かな海づくり大会、国民文化祭と共に四大天皇行事として天皇制が地域の人々に再認識され、「国民統合」する機能を果たしています。全国育樹祭天皇の植えた木をその後継者が手入れを行うことで森林育成の継続を謳う行事です。今年の十一月に茨城県潮来市で育樹祭が行われます。
 しかし育樹祭は樹木の成長と天皇家の継続を重ね合わせただけの、何の意味もないイベントです。天皇が木を植えた後に皇太子や皇族がその木を手入れしたからといって、何が起きるというのでしょうか。彼らはただの人間です。何も起きはしません。
 環境保護や森林保護を本当に考えるのであれば、天皇の植樹のために森を切り開いて会場を造るようなことをするはずがありません。森林保護を考えるなら植樹祭や育樹祭とその関連行事にかかる膨大な労力と莫大な費用を、たとえば林業後継者の育成に使えばいいのであって、天皇や皇族を持ち出す必要はありません。育樹祭は必要のない行事です。
 植樹祭の前身である愛林日が植樹行事として行われたのは一九三四年四月、茨城県紫尾村(現在の桜川市真壁町大字羽鳥)にある鬼ヶ作国有林においてでした。茨城県は植樹祭・育樹祭発祥の地と言えますが、当初から天皇制と結びついた行事として行われていました。
 戦前、天皇家はこの国最大の土地所有者であり山林保有者でした。現在の国有林天皇家のものでした。彼らはそこから利益を得ていました。彼らがやっていることは、田畑を潰したショッピングモールが木を植え、森を切り開いたニュータウンで花を育てるのと同じです。
 天皇制とは、女性差別・身分差別・民族差別がなければ成立しない制度です。また、人はみな平等であり一人一人が社会の主人公であるという民主主義と対立する思想です。王制と民主主義は本質的に両立しません。世襲の君主とはその国、その地域の多くの人々を踏みつけ、絞り取り、従わせる存在であり、それは戦前の絶対君主であろうと戦後の象徴であろうと変わりありません。私たちには天皇制はいりません。
 私たちは育樹祭と天皇制に反対します。


●声明賛同のお願い
・団体名、もしくは個人名 ・公表の可否
を明記し下記までお送りください。
(メール)2023iikaigi@gmail.com (第一次締切:2023 年1 0 月3 0 日)
呼びかけ:潮来育樹祭に反対する会議(いい会議)

 

茨城育樹祭(第4 6 回全国育樹祭)に反対する声明