潮来育樹祭に反対する会議(略称いい会議)の日記

天皇制に反対し、育樹祭に反対する県内有志による取り組みのブログ

育樹祭について考えるための学習会報告

育樹祭について考えるための学習会報告

 遅くなりましたが七月十六日に行った学習会の報告です。
 参加者は直後のツイッターにあげたように八名でした。これは主催込みの人数です。内訳などは書きませんが、全員男性でした。このバランスの悪さは私たちがずっと抱えている問題です。
 以下に当日のレジュメ後半部分に多少手を入れたものを載せて報告とします(元のレジュメは手書きなのでちょっと手間だったのです。)。前半部分については関東コミュニズム研究会のブログに、非常に丁寧な、当日の報告で足らなかった部分まで調査してある報告があがっているのでそちらを参照してください。というかこの報告とは別項目として私たちのブログにも掲載します(分量が多くなるためです。)。
 またツイッターにも上げていますが、育樹祭そのものについての研究は(私には)見つけられませんでした。ご存知の方はお教えください。

以下レジュメ

二、育樹祭
「継続して森を守り育てることの大切さを普及啓発するため、1977(昭和52)年から、全国植樹祭を開催したことのある都道府県において」行われ「全国植樹祭において天皇皇后両陛下がお手植えされた樹木についての皇族殿下によるお手入れ、皇族殿下によるお言葉や各種表彰、参加者の育樹活動等の行事」が行われる。(公益社団法人国土緑化機構HP中の全国育樹祭の説明)
森林樹木の生育と天皇家の継承を重ね合わせているイベント。これまではアキヒト、ナルヒトと皇太子が行ってきたので文中の「皇族殿下」は元は「皇太子殿下」だったと思われる。ナルヒトの天皇即位により皇太子の位に該当する者が消えたため言葉を変えたのだろう。
現在二巡目。前回の茨城での育樹祭は第27回全国植樹祭(1976年5月23日,24日)大子町 茨城県奥久慈憩いの森(お手植え及び式典)および高萩市 高萩市森林公園(お手播き)の後継として第13回全国育樹祭(1989年10月29日)    大子町 茨城県奥久慈憩いの森で行われた。反対運動があったかは不明。時期的にはあってもおかしくはない。
今回の育樹祭の前段は第56回全国植樹祭(2005年6月5日)    潮来市 茨城県水郷県民の森(メイン会場)および大子町 茨城県奥久慈憩いの森(サテライト会場)。こちらの反対運動はおそらくないと思われる。
(元のレジュメ中では育樹祭にたいする反対運動はほとんどないと書いていたが、報告者の不勉強だった。)
第46回全国育樹祭茨城県 いばらき2023 大会テーマ「誰かじゃない 僕が育てる 緑の日本」
お手入れ行事 11月11日(土) 茨城県水郷県民の森(潮来市島須)※一般参加不可
式典行事 1月12日(日) アダストリアみとアリーナ(水戸市緑町) 出演者:毛利衛(宇宙飛行士)、羽田美智子(俳優) 渡部豪太(俳優)、石井竜也(アーティスト)他
併催行事    育林交流集会 11月11日 大子町文化福祉会館まいん
      全国緑の少年団活動発表大会 11月11日 茨城県鹿行生涯学習センター 茨城県立白浜少年自然の家
記念行事    国民参加の森林づくりシンポジウム 2023年12月1日 常陸太田市民交流センター
                森林・林業・環境機械展示実演会 11月12日13日 笠松運動公園自由広場等
他に関連行事多数
企業の協賛、認可される育樹祭関連イベントなどを募る。また、行事等の事業者を募る。このように資金集めと地元への分配・還元を行っている。
協賛企業としては八月十三日現在で茨城県森林組合連合会、株式会社諸岡、青木金属株式会社、アメリカンスチール株式会社、株式会社ウィンフィールドジャパン、関彰商事株式会社、ガラスリソーシング株式会社、株式会社日新通商、株式会社倉川製作所、牛久産機有限会社、株式会社アダストリア、常陽サービス株式会社、ビジネス環境整備株式会社、株式会社千匠、株式会社Myアセット、エム・アールロジ株式会社、三菱鉛筆東京販売株式会社、株式会社𠮷田組、和興商事株式会社、茨城県林業種苗協同組合    、農林中央金庫、株式会社常陽銀行、茨城日産自動車株式会社、日産プリンス茨城販売株式会社、株式会社ワカバハウスが上がっている。     
 「茨城県は、11月に県内で開催される「第46回全国育樹祭」の式典参加者400人を募集する。式典には2005年の「第56回全国植樹祭」に出席した宇宙飛行士の毛利衛さんやアーティストの石井竜也さんをはじめ、茨城県ゆかりの俳優、羽田美智子さん、渡部豪太さんが出席する。応募期間は8日から6月30日まで。
式典は11月12日に水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで開かれる。時間は午前10時から午後0時半までの予定。参加者2千人のうち400人を募集する。
冒頭では、毛利さんが05年6月に潮来市で開催された第56回全国植樹祭を振り返りながら、現在の森林や環境をテーマに語る。続くメインアトラクションでは羽田さんがキャスター役を務め、県内の森林やスマート林業をニュース仕立てで紹介する。さらに渡部さんが映像で出演し、トークセッションを行う。
最後は、石井さんが第56回全国植樹祭のテーマソング「緑の山」など2曲を披露する。そのほか、県立水戸二高ダンス部や県内外の茨城県出身女性を応援するフリーペーパー「茨女」の音楽家が出演する。
希望者は第46回全国育樹祭のホームページ=QRコード=から申し込む。応募多数の場合は抽選され、決定者は8月下旬ごろメールで通知される。問い合わせは、県林政課全国育樹祭推進室。(茨城新聞クロスアイ二〇二三年五月六日)」
式典は芸能イベント化しないと人々の関心が集まらないのかもしれない。国民体育大会国民文化祭は人々は「巻き込まれて」かもしれないが自ら能動的に参加するものの、国土緑化に多くの人の関心は向かわない。
〇批判
植樹のために森林を切り開く、環境について考えられているとは言えないイベントであること。
学校・地域社会を動員するイベントであること。
地域住民の生活や行動を警察が監視、管理し、人々を「潜在的犯罪者」と見なす過剰な警備体制であること。
「安価な輸入木材の急増にともない1980年代以降国産材の市場価格が暴落することによって造林の経済的インセンティブが低下したことと、山村の過疎化や高齢化にともなう林業労働力の減少により適切な管理がおこなわれず半ば放棄された人工林の森林生態系が崩壊の危機に直面」にもかかわらず「日本での森林復興の「成功」事例に基づき「森林保護先進国」として海外での森林保護事業にも乗りだそうとしている。」中島弘二「造林ブーム期の大分県における緑化運動の展開 「社会的自然」の視点から」二〇〇九年 より
これは森林保護、国土緑化政策が結局は失敗しつつあるにもかかわらず、アジアに対して先進国として振舞おうとしていることへの批判だが、こうした国土・資源管理に対する批判の視点は必要だろう。